お金がない money runs low 2004 6 12
新興市場の銘柄について、
株価の値動きを見ていると、
「お金がない」。
そういう印象です。
株価が急落した時は、
しっかりと、「押し目買い」が入るが、
それ以上の動きはない。
買い進むほどの「お金」がない。
同じく、新興市場の企業も、
技術力やアイディアはあるが、
「お金がない」という状態です。
これは、外国から見れば、
実に、不思議に見えます。
日本は、経済大国ではないか。
日本には、巨額の金融資産があるではないか。
だから、お金がないなんて、おかしい。
しかし、これには、理由があります。
銀行は、集めた貯金という「巨額の資金」を、
まるで「恋は盲目」と言えるほど、
国債相場に注ぎ込んできたのです。
だから、中小企業に、お金を貸すほど、余裕はないのです。
そういうわけで、中小企業には、お金を貸さないのです。
そして、中小企業は、お金がないのです。
こうして、日本の金融システムは機能しなくなったのです。
つまり、お金はあるが、死んでいるということです。
最近は、銀行も、「貸し渋り」をやめたようですが、
何も改善していない。
銀行が、お金を貸そうとしている相手は、
優秀企業であったり、成長企業なのです。
しかし、こういう企業は、銀行から、お金を借りなくても、
株式市場から、資金を調達できるのです。
要するに、「貸したい人」と「借りたい人」で、
ミスマッチが起きているのです。
やがて、国債市場が暴落すると、
銀行も暴落するでしょう。
これは、中小企業からみれば、「天罰」に見えるでしょう。